学園祭の思い出

僕は中学時代から音楽家を目指していましたが、一瞬演劇を目指したいと思ったことがあります。

僕の学校は男子校だったのもあり、体育祭・学園祭の熱の入れようが半端でありませんでした。
三日間ある学園祭は、誰がおもしろいかが、かなり高い価値基準となっておりましたが、学園祭の最高学年による演劇もとても大事にされておりました。

最後の学園祭準備もそろそろ始まるかなとなっていたある日、学年トップクラスの成績の2人が僕に話しかけてきました。

「坪井くん、演劇に参加しない?」

驚きました!
当時僕は学校で、成績はもちろん下の下でいわゆる落ちこぼれの不良と位置づけられてたと思います。
つまり彼らとはほとんど接点がなく、授業では茶化してうるさいだけですし、ガラもよくない。
むしろ彼らのような人たちに嫌われてると思っていました。

話を聞いてみると、二人が今回の脚本をオリジナルでつくって、その中にぜひ坪井にやってほしい役があると。
僕の在籍した四年間、演劇は映画や小説を脚本にしてやったものばかりでしたが、今回は彼らのオリジナル。
並々ならぬ情熱をもって挑んでいるものに僕を指名してくれたのです。
本当にうれしかったです。

内容は、過去と空想を行き来する農民ゴローの権力に立ち向かう話。
僕は空想の方の擬人化された本と、過去の農民の一人二役でした。
本の方の役は、おちゃらけたコメディの役で、農民はまじめな役でした。
農民はそんなにセリフも多くないちょい役ですので、インパクトのある本の役の方で抜擢してくれたんだなと思いました。
当時僕は、(最悪なことに)授業を茶化して笑わすことに情熱を注いでましたので、そのセンスを評価してくれたんだ、まじめな人たちもおもしろいと思ってくれてたんだと喜びました。

さて、学園祭準備が始まりました。
僕は学園祭の他のものにも企画者・出演者として多く携わっておりましたので、大忙し。
でも毎日行われる演劇の練習は新鮮でとても楽しかったです。
協力してくださる先生は、劇団も主宰しており本格的な練習でした。
毎回、発声から入り役作りの仕方、間の大切さなど丁寧に厳しく教えてくれました。

そして、学園祭が始まりました!
学園祭の最初の二日は僕の独壇場です。
毎日、ありとあらゆる企画に出演し、笑いを生むことができ充実しまくってました。

中でもうれしかったのは、男子校のミス岩田(女装コンテスト、どんだけウケるかですね)で僕は携わったのですが、中一からの各学年の子たちの自己PRを一緒に考えその子たちをプロデュースしたのが、ことごとく成功したことでした。
多くの子は出たくないけどみんな押し付けて出てるおとなしい子たちばかりでした。
しかし、彼らなりに考えて持ってきてて、どれもそのままではまずかったので、こうしたらどうかと話し合い一個ずつ改良していったものでした。
その中の子の何人かは、このミス岩田を機にクラスメイトに見直され、クラスでの扱いが変わったそうです。
このように最初の二日で僕は、笑いが価値基準である学園祭で成功をおさめることができました。

さて、最後は演劇。
この演劇は学園祭の締め的な位置にあり、バカ騒ぎだけでなくちゃんとした劇というものの面白さで締める最高の舞台でした。
役者を目指すのもいいなと思っていました。

さて、衣装は本の役では明るく奇抜な感じ。
髪の毛も銀色のスプレーで染め、端をカールさせたおちゃらけた感じ。
農民は江戸時代とかの百姓の感じ。
髪の毛を隠すためにほっかむりをつけました。
演劇にはかなり力がはいっておりますので、衣装もしっかりしてて早着替えのためのアシスタントもついておりました。

さて本番が始まりました。
反応はとてもよかったです。
本のシーンでは、二日間での成功の手伝いもあり、狙った笑いがしっかりハマり大盛り上がり!
農民のシーンでは、この劇のまじめなものがしっかり表現されていてピシッとした空気になります。
この台本のすばらしいのは、おちゃらけた世界にも暗示的なものがあり、主題のまじめなシーンに効いているところです。

そしていよいよクライマックス!
権力に立ち向かっていたゴローは、結局仲間だった農民たちに裏切られます。
代表を差し出せば許すという権力者の言葉に農民たちはゴローを差し出すことに決め、取り囲みます。

農民坪井「俺たちは悪くない!」
シーーーーーン、、、
しっかりと緊張感のある間を持ちます。

そこで事件が起こります。

一番前で見ていた中学生たちがざわざわしだしました。
「あれ、坪井じゃねえ?」
「ああ!坪井だ」

そうです、中学生たちは今まで坪井は本の役だけで農民はやってないと思っていたのです。
舞台は少し離れてますし、ほっかむりをかぶっていたのも合わさって バレてなかったのです。
笑いのシーンとまじめなシーンをビシッと決めてる素晴らしい役者でなく、バレてなかっただけなのです。

その間の後に放たれる劇の最後の言葉でもある自分のセリフ「死んでくれゴローーー!」は観客みんなのざわつきのなか放たれ、暗転。
「ほんとだ、坪井だ!」などのざわつきが止まらない中、予定通り幕は閉じられました。

僕はやはり何かを演じるのは向いていないんだなと思いました。
その何よりの問題は声だとあらためて気づきなおしました。

農民は暗いシーンがほとんどなので、張る系の声でないです。
でも最後のシーンは、農民の搾り出た声、、、張ります。
そうすると僕の高い声は特徴を強く放ちます!!
「俺たちは悪くない!!」by boy soprano
それに中学生たちは気づいたのです!

僕は指名してくれた二人に謝るとともに役者を目指すのをやめました。
僕は、そのままの自分を表現する声を使わないドラムをしようと、、、

はい、みなさま!
坪井の前で「高い」「裏返ってる」禁句です。
坪井の高いはそれが普通で、裏返ってないんです!
それが表なんです!
俺は、わるくない、、、、by boy soprano

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