超個人的な音楽体験~ドイツ~

さて、最後は僕の海外修行の最後の国、ドイツです。

ここも書けることはいっぱいありますね。
まず何で僕がここに行ったのかを書くと見えてくるものがあると思います。

僕はスウェーデンで一区切りがつき、次はどうしようかと考えていた時にとてもお世話になってる素晴らしいドラマーTerje Sundbyさんに相談しました。
そうするとTerjeさんは

「お前はあとはいろんな人と交流・演奏をし、音楽を広げていきなさい。今、ヨーロッパではベルリンに人が集まってきてて、とても面白いという話をよく聞く。そこに行ってみるといいんじゃないか」

とおっしゃいます。
そこで、ドイツをいろいろ調べたり、他のミュージシャンにも話を聞いたりしてもやはり面白そうだ。
中には「昔のニューヨークみたいで、何かが起こりそうな音楽都市だ!」と表現する人もしばしば。

ビザのこともあったから、ドイツの大学を調べて、そこの先生を調べるとびっくり!
ケルン大の当時筆頭教授になったJonas Burgwinkelを発見してしまう。
僕より若い?彼は怪物中の怪物!!
今まで見たことのないようなすんごいドラマーで、フリーもストレートアヘッドもメタルもビバップも垣根なく彼の演奏をしている。
もう、あははーん!と思い、ドイツに行くことを決めてしまいました。

そのあと調べると、やはりスウェーデンのように各都市で特色が少し違うらしい。
ケルンは、フリー色が少し強く、例えばフランクフルトはビバップ色からの流れが強めらしい。
ベルリンはやはり規模が一番大きく、悩んだ末、チャンスのより多いベルリンに行くことに決めました。

ベルリンは本当にいろんなシーンがありました。
音楽だけでなく、芸術全般に言えることで、いろんな人が集まっており、交流も盛ん。外国人も非常に多い。
そして何より、芸術に対して身近で、とても大事にされているようすがそこかしこからします。

例えば印象的なのは、はじめのころ道が不安でバスの使い方が分からなかったのでタクシーに乗ったら、若い運ちゃんが爆音でクラッシックを聴いてました。
ジャムセッションはジャズやファンクなどに限らずクラッシック・ダンス・美術などもあります。
クラッシックのストリートミュージシャンはいたるところにいます。

ですので、演奏のお店は超満員のところだらけです。
みんな、飲みに行く感覚でライブバーに行くんですね。

そしておもしろいのは、お客の反応です。
日本で「難しいよ」とか勝手に言われてそうなフリー色の強い演奏でも圧倒的な何かがあれば、お客は総立ち、拍手喝采の雨あられになります。
「何なんだ!君たちスゲー!」と、素直になるんです。
理論的に小難しい、ジャズとはこうだ、などどうでもよく、出てきたものが純粋に面白ければお客は喜んでくれます。
もちろんそればかりではありませんが、例えば僕の所属してる「元太平洋」なんて、ベルリンに行ったら超話題になるでしょうね。
音楽を枠にはめて聴いてないお客の多さにはびっくりしました。

またベルリンでは、Jazz(もしくは芸術)が観光産業の一部を大きく担っています。
あるJazzバーは、世界各国からの観光客が半数を占めます。
僕もいろんなお客と話しましたが、Jazzをいろいろ聴きに来るためだけにベルリンに来てる人もたくさんいました。

もちろんいいとこばかりでもないですし、昔はもっと賑わってたという方もいらっしゃいます。

ただ確実に言えることは、ベルリンではJazzは昔の音楽でなく、経済の一翼も担い、生活の一部になっている身近なものでもありました。

日本で常識的に言われてるようなJazzのことは、どこ吹く風という感じでしたね。

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